税務調査といえば、会社(法人)には7年に1回程度の割合で行われますが、実は個人にも税務調査が入ることはご存知でしょうか?
「自分には関係ない!」と思っている人がいるかもしれませんが、恐怖の瞬間はある日突然襲ってきますので、個人に税務調査が入る理由と対策法を実体験からお話ししましょう。
私も自分には関係ないと思っていましたが、ある日突然、その瞬間が訪れましたので(涙)
目次
税務署から突然の電話
事前通告なしに税務署員が突然、税務調査に来ることもありますが、この場合には「こいつは悪質」とほぼ断定されているケースです。
通常は事前に確定申告時に連絡先に指定した番号に電話連絡があり、「○○税務署の△△と申しますが、××さんの携帯でしょうか?」といった会話から始まります。
その後、「申告の件でお聞きしたいことがありますので、○月×日の午前10時にお伺いしてもよろしいでしょうか(威圧)」という流れになります。
「宜しいでしょうか?」と言いつつ、実際には断れない雰囲気ですので、余程の予定がなければ素直に従った方がいいでしょう。
その後、実際に税務調査という流れになりますが、事前にどの程度ヤバイのか分かりますので、まずはそこからお伝えします。
自分がどれぐらいヤバイのか?を知る方法
同じ税務調査と言っても、税務署から見た重要度には違いがありますので、それを判断する方法をお伝えします。
- 税務調査の人数
- 調査する時間(予定)
- 時間変更が可能か?
上記3点について一つ一つ見ていきます。
なお、これらは税務署からの電話の際に聞いておいた方がいいです。
税務調査の人数
基本的に一人であればそこまで大事ではないと考えられます。
逆に複数人、もしくは人数を教えてもらえなかった場合にはかなりヤバイかもしれません。
調査する時間(予定)
税務調査は基本的に朝10時から丸一日、場合によっては2日以上行われますので、調査時間がどのぐらいなのか予め聞いておくことでヤバさが分かります。
2~3時間の場合には大きな問題にはならない可能性が高いですが、丸一日以上かかる場合にはガッツリ調べられるでしょう。
時間変更が可能か?
上でも述べましたが、税務調査は基本的には朝10時から行われます。
ただ、私の場合には午後からに変更してもらえましたので、重要度が低い場合には時間変更が可能なようです。
逆に言えば、時間変更が無理な場合には「かなりヤバイ」と考えていいでしょう。
税務調査の規模・まとめ
上記3項目で「人数が1人」「調査予定時間も短い」「時間変更も可能」であれば、大きな問題にはならない可能性が高いです。
しかし、上記に当てはまらない場合には結構危険かもしれませんし、ガッツリ調べられると考えた方がいいでしょう。
なぜ個人に税務調査に入るのか?
次に、なぜ個人に税務調査が入るのか?という点についてお伝えします。
法人とは違って通常、個人には滅多に入らない税務調査が個人に対して行われるからにはそれなりの理由があります。
相続税や贈与税もありますが、趣旨が若干異なるため、ここでは「毎年行う個人の確定申告」に関係する3つに絞っています。
売上
最近では個人の副業などを認める会社も増えてきましたし、実際に会社員でも副業をしている人も増えてきました。
そこで「売上-経費=利益」が20万円を超えた場合には会社員でも確定申告しないといけません。
もちろん、確定申告している人も多いと思いますが、確定申告したから安全というわけではありません。
売上で問題となるのは「売上の申告漏れ」です。
かなり細かく調べてきますし、調査でも細かく調べられますので、「売上の申告漏れ」がある場合には今回の3パターンでは最も危険と言えます。
無申告の場合
売上に関係してきますが、給料などを除いて20万円以上の利益があったにもかかわらず確定申告をしておらず、無申告だった場合には「完全にアウト」です。
通常の所得税、住民税以外にも無申告加算税や重加算税など重い税金が課されることになります。
ちなみに無申告の場合でも、税務調査の連絡が入る前に自主的に申告した場合には無申告加算税が5%になりますので、「ヤバイ!」と思った場合には今すぐに自主的に申告した方がいいでしょう。
無申告で税務調査が入った場合にはシャレになりませんので。
経費
続いては経費です。
売上を過少に申告しているケースは稀だと思いますが、経費はグレーな部分が多いため、税務署との間で見解が分かれるケースが多いです。
節税したい我々納税者と少しでも税金を取りたい税務署で利害関係が対立する部分で、しかも「経費になるかどうか?」は非常に難しい判断になりますので、経費の調査を目的に来るケースもあります。
消費税
盲点なのがこの消費税です。
売上(利益ではなく売上)が年間1000万円以上あった翌々年の申告では消費税を納税しないといけませんが、「個人で消費税を納める」ということを知らないケースや、「利益が1000万円もないから関係ない」「去年は売上1000万円に届いてないから納めなくても大丈夫」といったケースが多く、この消費税未納で税務調査が入るケースが多いとのことです。
消費税は納税年度などがかなり複雑で意図的に納めないというケースが少なく、ミスにより未納が多いため、税務署としても「悪意のないミス」と判断してくれることが多いです。
ただ、当然ながら本来納めるべき税金を納めていなかったため、後日消費税を納めることになります。
自動引き落としはできないため、税務署で納付することになります。
税務調査は何月に多いのか?
税務調査は1年中行われますが、やはり確定申告の時期は税務署員、税理士、納税者全員が忙しいため、この時期の税務調査は少ないと考えていいでしょう。
ではいつ多いのかといえば「11~12月」です。
これには理由があって、税務署の異動が7月に行われることが多く、異動先で8~10月に仕事(適切に申告されているか?の事前調査)を頑張って、その結果をもって11~12月に税務調査に入ることが多いというわけです。
ですので、11~12月は他の月以上に気を付けた方がいいでしょう。
税務調査が入る目安となる金額は?
個人に対して税務調査が来たり、税務署に目を付けられる金額ですが、地域や税務署によっても違いますが、給料以外の売上で年間1000万円を超えた場合にはかなり目立つはずです。
ですので、まずは「売上1000万円」が大きな目安となりますし、これ以上の売上がある場合や利益だけで1000万円を超えている場合、もしくは過去に超えていた場合にはいつ税務調査が入ってもおかしくないと言えるでしょう。
また、売上で年間700~800万円辺りでも狙われる可能性は低くないですし、場合によっては年間500万円以上でも税務調査に入る可能性はあるといえます。
ちなみに、無申告の場合には売上や利益の金額に関わらず、いつ税務調査があってもおかしくないですし、事前連絡なしの突然の調査の可能性も高いです。
税務調査が入った場合
個人に対して税務調査の連絡が来た場合、税務署としては既に何かしらの証拠を掴んでいますし、ほぼ例外なく「何かしらの目的」をもって調査に来ますので、追加で支払う税金がゼロ円というのはかなり難しいかと思います。
税務署としても経費をかけて色々と調べていますし、個人に対してわざわざ税務調査に来る場合にはそれなりの成果(税金)が見込めると考えているから、税務調査に入るわけですので。
税務署から連絡が来たら税務調査に強い税理士に頼るのがベスト
なお、個人で税務調査官と戦うのは無理がありますので、税務調査に強い税理士に頑張ってもらった方が精神的に楽ですし、納税額も安くなり、税理士に払う報酬を考慮してもかなり安くなる可能性があります。
私は突然のことでパニくってしまいましたが、個人に税務署が入る場合には「完全に証拠を掴んでいる」状態で来ますので、税務調査に強い税理士に頼んでおけばよかったと後悔しています。
自分の目的(税務調査の立ち合いや税務署との交渉)に合致した税理士を自力で見つけるのはほぼ不可能に近いので、下記のサービス(自分に合った税理士を紹介してくれるサービス/無料/全国対応)が効率的です。
今すぐに下記のサービスに連絡して税務調査に強い税理士を見つけ、税務署には理由を付けてなるべく遅い日に来てもらい、時間を稼ぐのがベストです。
税務調査を食らった私から言わせればまだ大丈夫!短いとはいえ、まだ時間はあります。
諦めずに最後まで頑張ってください。
税務調査対策に興味はありますか?
税務調査に入った場合の対応ノウハウなどもありますが、かなり長くなったため今回はここまでにしておきます。
もし、税務調査の対応策などを知りたい人が多かった場合には追加の記事を書きますので、追加記事(税務調査の対策方法)をご希望の場合にはお知らせください。
海外からのスパムコメントが多いためコメント欄は開放していませんが、はてなブックマークなどソーシャル経由でコメント可能です。
まとめ
税務調査の連絡はある日突然訪れます。
一応の目安はありますし、実際に税務調査を受けた体験から色々とお伝えしましたので、今回の記事が参考になれば幸いです。