一時は社会現象になった過払い金請求ですが、最近は話題になることも少なくなってきました。
ご存知の方も多いと思いますが、過払い金とは、過去の高金利時代に払い過ぎた利息部分を、現在の利息に引き直して、差額分を返還してもらう返還請求のことを言います。
今回はタイトルのとおり、解約した後に、過払い金返還請求は可能なのかという点を確認していきましょう。
目次
そもそも過払い金とは
現在の貸金業法の金利の上限は、利息制限法を上限としており、借入金額100万円未満で18%、100万円超で15%、遅延損害金は20%と決められています。
この利率を超える契約は、合意の上でも違法とされ契約自体が無効とされます。
また金利規制が貸金業法に盛り込まれ、法的金利になったのは2012年のことで、ごく最近の話です。
プロミスやアコムなどの大手消費者金融でさえも新規契約を18%にしたのは2011年前後の話で、法律改正よりたった1年前に自発的に行動しただけです。
それ以前の上限金利は29.2%で、100万円の借金で年間利子が30万円かかるような、驚く金利でした。
この差額を計算すると、びっくりするくらい高額な過払い金になり、100万円、200万円返還してもらったという話も当時は普通でした。
返還金額の多さは異様なもので、武富士はこの過払い金請求により破綻、アイフルはADR(債権者との裁判外和解)を申請したほどでした。
解約した後でも過払い請求は可能でしょうか
過払い金請求となると、弁護士による債務整理などで過払い金があったと発覚するケースが多いのですが、一時はプロミス、アコム、レイクなどで利用していた人が自分で請求することも流行していたくらいです。
一方では、過払い金のことを承知していて、お金が還ってくることも知っているけど、手続きが面倒くさい。
実はこのように考えている人も多いのです。
返済が終了している、または解約をしている場合でも、消費者金融への過払い請求は可能です。
しかし時効の問題もあるため、解約後10年を経過しているものは請求権がなくなっている可能性があります。
気になる場合は、取引明細書を取得して自分で計算してみるか、面倒な人は、弁護士に依頼をすれば、交渉や和解は弁護士が全て行ってくれます。
ちなみに過払い金が発生する目安は、旧金利で5年以上利用があれば、過払い金が発生している可能性があると言われています。
過払い金の計算は自分でやるか弁護士へ
消費者金融から、あなたの過払い金は○○円ありますので受け取りに来てください。
このような案内は一切ありません。
こちらから請求しなければ、何も言ってきませんので、現在返済中でも、すでに完済、解約済みでも、取引期間が長かったと感じる場合は、過払い請求を考えてみてもいいでしょう。
過払い、利息返還請求権は当然の権利ですが、利息計算は自動ソフトを利用し、自分で計算する必要があります。
手続きが面倒な場合は、弁護士や司法書士に相談をしましょう。
彼らも仕事ですし、最近は着手金無料、相談無料で過払い金請求の相談を受け付けてくれる法律事務所が多いです。
信用情報への影響は
気になるのが、ブラックになるのか?という点ではないでしょうか。
安心してください、ブラックには載りません。
以前は消費者金融が嫌がらせのように、債務整理という信用情報センターへ参考情報(ブラック情報)を報告していた時期もありますが、現在は過払い請求を、事故情報として報告することが禁止になっています。
安心して権利を行使できる環境が整っています。
メリットとデメリットとは
メリットとすれば、過払い金が返還されれば、思ってもない副収入です。
自分で手続きをするのか、代理人を入れるかで内容は変わってきますが、借金が0円になる場合や、お金が還ってくる可能性があります。
デメリットは、手続きが煩雑なため、自分で処理をする場合に時間がかかる、相手方になる消費者金融の担当はプロなので、いいように言い包められる可能性などもあります。
また弁護士に依頼をするにしても、事務所に一度は行く必要もあるので時間を作らないといけません。
手間の部分は否めませんが、お金が返還される可能性があるなら、一度詳しく検討してみることをおすすめします。
過払い金請求後の消費者金融の傾向
以前のプロミスは、「過払い金請求後の再申し込みをしてくるなんて、どんな神経をしているんだ!」という感じでした。
現在は過払い金請求をした後でも、再契約を受け付けてくれる会社が多くなりました。
大きく2つの理由があります。
- 過払い金請求和解後であれば今後、請求されることはない
- 長期間利用してくれたのだから、今後も末永く利用してくれるだろう
このような考え方があるようです。
過払い金請求は当然の権利と扱われている傾向にあります。
まとめ
法律や、お金の問題を含んだ過払い金請求は、面倒くさいと敬遠される傾向にありましたが、始めてみると、すんなり手続きは進みます。
完済や解約後でも手続きは可能ですし、事故情報に報告されない点からも、自分の取引には過払い金がありそうだと感じた場合は、手続きを進めてみるのもいいかもしれませんね。