平成22年6月18日に貸金業法が完全施行、法改正がされました。
行為規制、金利規制、総量規制、取立規制から成り、貸金業者を規制するための法律で、借り入れの上限金額を年収の1/3にするなど社会に大きな影響を与えました。
今回は金利規制と、過払い金返還請求について説明をします。
目次
過払い金返還請求(過払い金請求)とは
旧貸金業規制法時の上限金利は出資法で上限金利は29.2%、現在の上限金利は利息制限法になっており18.0%を上限としています。(正しくは20.0%上限)
この2つの金利は旧金利時代から存在していましたが、消費者金融は、契約者の承諾があれば出資法上限(29.2%)で契約をしても良いという認識をしていました。
これがグレーゾーン金利と呼ばれるものですが、このグレーゾーン金利が後々、大手消費者金融を破綻させることになります。
後に過払い返還請求が頻発しますが、過払い金請求とはこの2つの上限金利の差額11.2%分の過去に支払った、支払い過ぎた分の利息を返還しなさいと請求する行為です。
旧金利と新金利の差が返還金額です
金利規制により貸付の金利も大きく下がり、グレーゾーン金利も廃止されました。
- 100万円未満の限度額の場合18%以内
- 100万円を超える場合は15%以内
これが現在の上限金利となり、金利以外の名目を用いてもそれ以外の費用を徴収することはできません。(ATM手数料やカード再発行手数料、印紙代は除きます)
貸金業規制法時代のプロミスの金利は25.55%で、現在の18.0%との差額が利息返還金額となるのです。
利用期間は5年以上必要です
旧金利時代の利用期間にもよりますが、一般的には5年以上利用していて過払い金が発生します。
利用方法や限度額によって過払いの返還金額も変わってきます。
一応の目安としては、5年以上の利用で現在の借入金額が0となり、5年以上で過払いが発生するイメージです。
旧金利の利用期間により過払い金は発生します
新規契約時18.0%で契約の場合、過払い金の発生はありません。
利息返還ができる条件は、旧金利での利用期間によるので、利用期間によっては過払い金が発生しないこともあります。
過払い金返還請求のメリット・デメリット
過去には、過払い金請求をすると債務整理扱いにされ、個人信用情報に事故情報が記載された時期もありますが、この対応方法に金融庁からNGが出たため、現在は債務整理扱いになるということはなく、デメリットはありません。
契約が終了となるため、引き続きプロミスで契約を継続することは難しくなります。
最近の流れでは、過去に利息返還請求をした人との再契約を容認していることから、少し時間が経過すれば再契約をすることは可能になるでしょう。
メリットは、残債務が軽減できる、旧金利での利用期間が長ければお金が戻ってくるということもあり、利息返還請求を検討してみる価値はあります。
過払い金の確認方法
取引明細書を取得して、過去の自分の取引状況を確認します。
取得方法はフリーコールに連絡をすれば良いだけで、自宅に取引明細が送付されます。
インターネット上に利息契約のソフトがあるので、取引内容を入力していくと過払い金の計算を自動でしてくれます。
請求は自分で行うか弁護士に依頼する方法です
弁護士に依頼する方法であれば簡単で、一度面談をすれば弁護士が一連の作業を全てやってくれます。手数料が高いのがネックですが、過払い金が出る場合、返還金額の中から弁護士費用が捻出されるため、実質自分の財布からお金が出ないことが多いようです。
自分で過払い金を請求する場合
はじめにやることは、自分の契約がいつ頃だったのか思い出してください。
契約した時の金利を覚えているならなお良いでしょう。
はじめはフリーコールに連絡をして、借り入れ履歴の確認をします。
先ほど説明した通り、フリーソフトで利息の再計算をします。
方法は簡単で、取引明細の内容をそのまま入力するだけで大丈夫です。
マイナスの表示になれば過払い金が発生しています
プロミス自身は再計算をしません。
再計算は自分で行う必要があり、計算結果マイナスの表示になっていれば、過払い金が発生しています。
過払い金の請求書式もインターネット上に書式があるので、ダウンロードして内容を記載してプロミスに送ります。
自分で請求をする場合は妥協点を見出す
プロミスも請求された金額を、「はい、そうですか」と全額払うことはありません。
和解するためには、お互いに妥協点を見つける必要があります。
例えば、50万円の過払いが発生している状態で、プロミスの支払いを25万円で和解しましょうとか、現在の残高が250万円残っている状態なら、残債務を0円にするような和解でもいいでしょう。
100%自分の意思を通そうとすると和解するまでに時間もかかり、裁判になる可能性もあります。
早めに解決したい場合には妥協点を見つけることがコツとなります。
まとめ
過払い返還請求はプロミスも嫌がりますが、社会現象になった請求権のため真摯に対応してくれます。
ポイントは妥協点を見出すことです。
お互いが譲れるポイントで解決できることが望ましいでしょう。